キャリアコンサルタント(通称キャリコン)の資格があることを知ったのは、還暦過ぎてからです。
私は36年間、写真会社と水処理会社で化学のエンジニアをしておりました。
定年退職後、エンジニアに特化した派遣会社にエンジニアとして転職しました。その時、私の担当の女性がキャリコンを目指していることを始めて知りました。インターネットで色々調べているうちに、資格だけでなく、自己理解も深まり、コミュニケーション手法としても良いことを知り、日本マンパワーの養成講座を受けようと思いました。
キャリコン養成講座は教育給付金の対象であり、養成講座を修了すると受講料の50%、一発合格するさらに20%が返金されます。教育給付金を認めてもらうためにはキャリアコンサルティングを受ける必要があり、初めて、自分が目指すキャリコン資格者にキャリアコンサルティングをしてもらいました。
今までの面談とは違い、資格取得に向けたアドバイスや定年退職後のキャリアのアドバイスもなく、私の子供時代に好きだったこと、私の特技、何でそれが好きなのかとか、自分らしさ、価値観、仕事へのやりがい等に気づかせてもらいました。面談が終わった後は、キャリコン資格を絶対に取りたいとモチベーションが上がっていました。
日本マンパワーでの養成講座が96時間受講し、無事にスクールの修了試験にも合格し、受講料の50%は戻ってきました。これで、一発合格するれば更に20%返ってくると思ったいましたが、学科はどうにか1回で合格しましたが、実技試験を4回も受けることになってしまいました。
養成講座は2022年11月末で終了し、第22回の試験は3月上旬なので、それまでは、養成講座の仲間と勉強会を立上げ、実技試験の項目である論述試験とロープレ練習を週に1回行っていました。仲間の半分ぐらいは1回で合格しました。
2回目は第23回の試験で7月上旬でした。養成講座の仲間とは、5月頃に東京駅で対面で会ってご苦労さん会を行い、労をねぎらうと共に、不合格だった人(私も含めて)の次のチャレンジを応援することで盛り上がりました。ご苦労さん会が終わってからはモチベーションが上がらず、試験の2週間前に日本マンパワーの直前試験対策コースを受講することで、どうにかモチベーションを上げ、試験に臨みました。自分では論述もロープレも上手く行ったと思っていたのですが、論述、ロープレ共に不合格でした。
一方、仕事の方は、なかなか派遣先が決まらず、自宅待機して派遣先が決まるまで、自己学習を続けていました。時間があったので、キャリコンの勉強が出来たのは嬉しかったです。そうこうしているうちに、派遣のエンジニアさん達の技術コンサルタントをやって欲しいというオファーがあり、うけることにしました。技術的な相談、キャリア相談かなぁーと思っていたら、何でも相談で、ガス抜き役でした。社員寮の給湯器が壊れたとか、隣の人がうるさいとか、ベランダにへびの抜け殻があるので、寮を変わりたいとかの相談もありました。20代~60代の男女が約70名で、アジア系の外国人が3割おり、初対面での面談でしたが、キャリコンの養成講座で学んだことが活かされ、初対面の人とも話すのが楽になっていました。
3回目は第24回の試験で11月上旬でした。これではまずいと思い、技能士検定2級を目指している方に多田塾というコミュニティを教えてもらい、入塾しました。多田塾ではキャリコンに合格するための資料、ロープレ練習、相談事例の動画、相談内容に関する意見交換等が充実しており、非常に有意義でした。試験も上手くいったと思ったのですが、結果は不合格でした。
4回目は第25回の試験で2024年3月上旬でした。キャリコンには2団体り、日本キャリア開発協会(通称JCDA)とキャリア協議会(通称キャリ協)がり、私はJCDAで受験していました。JCDAは独自の経験代謝理論に基づいた面談の進め方をしないと合格できません。ロープレは15分ですが、キャリア相談60分の最初の15分の想定のため、問題解決に走ったり、キャリコンの興味で質問したりせず、ひたすら相談者に寄り添って、受容・共感しながら相談内容の背景となる経験を傾聴していくことが求められます。結構、人の話は聴いているようで、聴いていないことが多いことに気づきました。人の話をそのまま聴けず、自分の自己概念で判断したり、自分の質問に対して想定した答えが返ってこないと、何度も質問している自分に気づきました。なので、キャリ協に変更しようかとも思いました。
多田塾のロープレ練習でJCDAのホルダーさんに、徹底的に指導をいただき、JCDAのロープレの進め方が腹落ちしました。相談者に好意的関心を持って、相談者が話したこと、気持ちの変化、悩み事をそのまま受容し、「なんでそう思うのか」をただただ聞いてみることです。自分の自己概念を通すことは全くしません。頭の中に白いキャンパスをイメージし、相談者の言葉を一行一行書いていくだけです。そこで、なんでそう思うのかを聞くだけです。そして相談者が語った経験を同じスクリーンを一緒にみていくイメージです。なんとなく、自分を空っぽにする感じです。なんか、仏教の悟りみたいですけど、究極のキャリコンはブッタかもしれませんね。
第25回の試験では、論述試験で腕時計が止まっていることに気づき、駅のキヨスクで子供用のドクターイエローの腕時計を買って対応したり、指に力が入らず、ミミズのような字になってしまいました。ロープレは試験という感覚ではなく、相談者の話をじっくり聴くことで、本当に応援したいと思ってしまい、あっと言う間に終わりました。
結果発表は怖くて見れなくて、発表開始時間にコーチングの相互セッションをやっていて、コーチに「結果が怖くて見れない」をテーマにお話しを聴いてもらいました。それでやっと落ち着くことができ、発表から2時間経過し、合格発表を見ることができました。
番号はあったのですが、間違いではないかと、受験票と何度も見比べ、パソコンを立上げ直して、番号が消えてないか確かめたり、頬っぺたをつねってみたりしました。それでも合格通知が届くまでは気が気ではありませんでした。合格通知がきたときは、めちゃくちゃ嬉しかったです。結果は以下の通りです。
今では、3回の不合格の経験は良かったと思います。今回合格したことで、何が課題かは明確になりました。そして、多くの方に恩をいただきましたので、次の受験生の恩送りをしていきたいと思います。
最後まであきらめずに続けてきたことが良かったと思います。一人では続かなかったと思います。仲間の存在が励みになりました。そして、相互セッションでキャリコン試験については、何度もテーマにして、話を聴いてもらいました。
目標に向かって、何度かつまずいて、もうあきらめようと思っている人も多いと思いますが、あきらめずに目標を達成することで、過去の記憶は良いものに書き換わります。なので、諦めないで続けて下さい。一人ではしんどければ、仲間に助けを求めても良いと思います。そして、コーチの私に頼ってもらっても嬉しいです。目標達成までパートナーとして伴走させていただきます。